2023年2月号
昨年6月号当コラムでお伝えしましたが、年齢とともに全身的な身体機能が老化していくのと同じように、お口の機能も老化していきます。噛む、飲み込む、話すといったお口の機能もからだの筋肉と同じように加齢とともに衰えていきます。特に最近はご高齢の患者さんを診る機会が増え、処置中にむせる方を多く見かけます。手足の大きな筋肉は、筋肉トレーニング(筋トレ、ウエイトトレーニング)をすれば鍛えられるのはわかりますが、お口の周りの小さな筋肉を鍛えるというのは少し理解しにくいかもしれませんが、鍛えることは可能です。前回ご紹介しましたように色々なトレーニング法が考案されていますが、今回はまた別の方法をお知らせします。
一人暮らしで一日誰ともしゃべらない方などは、強制的に口やのどの周りを動かす前回、今回のようなトレーニングをして筋肉を鍛える必要があると思います。
昨年3月号の記事を読んで、ご自分のお口の老化に気付かれた方は是非種々のトレーニングに取り組んでいただければと思います
次回のQは・・・・
「家族に歯ぎしりをしていると言われました。痛いところもないし問題ないですよね?」です。
院長
2023年1月号
知覚過敏とは以下のような状態をいいます。本来歯の表面は神経(歯髄)と直接繋がっていない
エナメル質で覆われているので痛みは感じませんが、その下にある象牙質には歯髄の神経と間接的に繋がっている構造になっているので、温度変化や機械的な刺激で痛みを感じます。
色々な原因で象牙質が露出すると知覚過敏を起こすようになります。
知覚過敏になりやすい人には、以下の傾向があります。
このように色々な原因があるので、根本的に治療をしようとすると時間がかかるのです。
最近はTVCMでも「知覚過敏」という単語をよく耳にするようになりました。30~40年前はそれほどポピュラーではありませんでした。上記の原因の中で歯ぎしりや食いしばりはストレスが原因といわれますので、ストレス社会になったため知覚過敏が増えてきたのではないかというのはうなづけます。また日本人は昔より確実に歯をよく磨くようになっているので、間違った磨き方を続けてしまうと知覚過敏が起きてしまうのです。
治療はまず刺激に対する歯髄(神経)の反応を抑える薬剤を、象牙質が露出している場所に数回塗布します。様子を診て症状が改善しないなら、コーティング剤を塗布して、露出した象牙質を封鎖します。それでも症状が緩和されない場合は、歯根を歯茎で覆う歯周外科手術や強く噛んでいる歯の噛み合わせを調整する、また、神経を抜く「抜髄」もありますが、歯の寿命を損ないますのでどうしても治らないときの最終手段として行います。
また歯磨きの習慣や食生活は意識すれば改善が可能です。歯ぎしりや食いしばりの癖があるかどうかは歯科で診てもらうことでわかります。必要に応じてナイトガードを使用していただくと、就寝中の歯へのダメージが軽減されます。日常的に手軽に取り入れやすい事として、知覚過敏を抑える成分(高濃度フッ素と硝酸カリウム)の入っている歯磨き剤の使用もお勧めです。
しかしながら、一旦知覚過敏が収まっていても悪習慣がもどると、また再発することはよくあります。
次回のQは・・・・
「お口も老化するということだけど、予防はできるの?」です。
歯科衛生士 西迫 典子
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