院長・スタッフのコラム

2022年1月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その128

Q:虫歯が多いのは糖分をたくさん取っているから?
A:× 糖分の量よりその取り方の頻度や時間に問題があるかもしれません。

下図のように食事をすると、虫歯菌によって糖が分解され産生された酸(乳酸、酢酸、ギ酸など)の影響でプラークのpHが5.5より下がり、歯が脱灰(だっかい)(歯の表面から歯の成分のカルシウムやリンが溶けだす)されます。
その後唾液の緩衝作用や洗浄作用によってpHが5.5を上回ると歯は再石灰化(さいせっかいか)(歯の表面にカルシウムやリンが再び戻ってくる)します。
このように、食事のたびに歯の成分が溶け出しては元に戻る一連の反応が繰り返されています。簡単に言えば初期の虫歯が修復され健康な状態に戻っているわけです。
しかし脱灰が再石灰化を上回る状態が頻回に長時間続くと虫歯ができてしまうのです。虫歯の原因になる糖は砂糖(ショ糖)に限らず、普通の食事で摂取するブドウ糖やでんぷんなども含まれています。

飲食によるプラークpHの変化

飲食によるプラークpHの変化図

その時摂取する糖分の量以上に、食べる頻度や時間が問題になるのです。だらだら長時間飲食物を口にしていたり、間食を何度も取っていたりすると歯が修復される時間がなく虫歯が進んでしまうのです。
例えばしゃべる仕事をしている方がのど飴を絶えずなめていたり、清涼飲料水をPETボトルでチビチビ飲んでいたりするとこのような状態が続いてしまいます。

話が変わりますが、コロナ禍が続いて2年になります。飲食業の方は長い休業要請で大変でした。しかし定期検診で来院された知り合いのカフェのマスターがひとついいことがあったと教えてくれました。
調理をしないので料理の味見をしなくてよくなり、また規則正しい生活を送るようになったので口の中がきれいになったそうです。味見は量的にはわずかですが、頻回行っていると先ほどの脱灰が何度も起こっていることなり、虫歯の危険性が増すのです。
また、すし職人の方は準備したシャリの味が変わっていないか、頻回に甘酸っぱいシャリを口にして味を確かめるそうです。その場合も虫歯の危険性について同じことがいえます。

歯科医院ではお口の状態を見せていただいたり、生活習慣をお聞きしたりしながら疾患の原因を探り治療を行ったり、予防を提案したりしております。どうぞ毎日のセルフケアにお役立てください。

次回のQは・・・・
「うがいで虫歯が減るってホント?」

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