2021年1月号
歯ぐきが腫れるのは、歯周病菌が悪さをしているのが原因です。歯周病菌の中には、妊婦さんの体内で盛んに分泌される女性ホルモンを栄養源とするものがいて、普段歯ぐきが腫れない人でも歯肉炎(妊娠性)が起こることがあります。この段階ではプラークと歯石をきれいに取れば元に戻ります。歯石は歯科医院で取ってもらってください。しかし、歯肉炎を放っておくと、歯を支えている骨まで破壊され始め歯周炎に進んでしまいます。こうなると治療が複雑になり、妊娠中には治療が困難になる場合もあります。歯周病は低体重児出産(早産)と関係するともいわれているので、妊娠前の検診はとても大切です。
歯周病の一番の予防は、歯磨きを丁寧にしてお口の中を清潔に保つことです。しかし、妊娠中はつわりで歯みがきがつらい方も多いでしょう。そういう時は体調の良い時に1日1回だけでもいいので丁寧に歯みがきをするのが良いです。それも難しい場合は食後に強めのブクブクうがいをしたり、嘔吐直後にも胃酸で歯が溶けないようにうがいをしてください。歯磨き剤の使用がつらいときは無しでも構いません。嘔吐感が出やすい方は、薄型ヘッドや細型ネックの歯ブラシやY型フロスもおすすめです。
こうした予防を頑張っていてもお口の状態に異変を感じた場合は、お早めにかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
妊娠中でも基本的には通常の歯科治療を受けられますが、安定期である妊娠中期が安全でしょう。
歯科受診の際には・・・
悪化する前に受診される方が小さな治療で終わり、疲れずに済みます。早期に歯科検診を受けて、歯周病を治療&予防しましょう!
次回のQは・・・・
「インプラントを入れた後、定期的なメンテナンスが大事ってホント?」です。
歯科助手 里 香奈子
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