院長・スタッフのコラム

2019年4月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その95

Q:歯ぎしりって歯に悪いですよね?
A:〇 歯ぎしりをすると強い力が歯にかかってさまざまな悪さをします。

歯ぎしりは寝ている間の無意識下でしているものなので自分ではわからず、誰かに指摘されて気付くことが多いかと思います。実は私も歯ぎしりをしていると自覚していなかったのですが、家人に指摘されて初めて気が付きました。それからは朝起きたときに顎がなんだかしんどいと感じることがあり、日中も知らず知らずのうちに歯をくいしばっていることに気付きました。

歯ぎしりはキリキリと音がしてうるさい単なる悪い癖だと思われがちですが、歯や口に大きな害を与えてしまいます。また噛みしめ・くいしばりのように音のしない歯ぎしりもあり、そちらの方が発生頻度は高いです。
では噛む力はどれくらいの強さなのでしょうか。一般に普通の食事の時に噛む力は数kgから強くても30kg程度です。しかし睡眠中の歯ぎしりは無意識下のため抑制が効かず、50~100kgを超える力がかかり、平均8時間の睡眠中に約40分間も強い力で噛むと言われています。

実際、歯ぎしりがどのような悪さをするかといいますと・・・

・歯にヒビ、すり減り→知覚過敏や虫歯の原因になります。噛み合わせも変わってしまいます。
歯頸部(しけいぶ)の楔状の欠け→知覚過敏になり、欠けた部分に汚れが溜まると虫歯に。
外骨症(がいこつしょう)→顎の骨が歯ぎしりによる力に負けないように増えることです。悪いものではありませんが口の中が狭くなったり、食物の流れが悪くなったりします。
・詰め物がはずれたり、被せ物が削れたり、割れたりする。
・歯根が割れる→抜歯になる場合が多い。
・顎や頭が痛くなる。
このような症状が出てしまう前に早めの対策をとることが重要です。

対策として最もポピュラーなのがマウスピースを使う方法です。夜間にマウスピースを装着し、力のかかり方を修正して歯や顎を守ります。
同時に就寝前にイメージトレーニングをするのも効果的です。「歯ぎしりをしないぞ」と繰り返し唱え自分を暗示にかけます。簡単な割に効果があり、歯ぎしりが4割減るという説もあります。
私はマウスピースを使うようになってから起きた時に顎が楽に感じるようになり、寝ている間に歯ぎしりから歯を守ってもらえているという安心感も得られました。
歯ぎしりをしていると気付いたらマウスピースを作り、早めに対策をとりましょう。
お気軽にご相談ください。

次回のQは・・・・
「ホワイトニングすると歯が強くなるって本当ですか?」です。

歯科衛生士 佐野 成美

2019年3月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その94

Q:マウスウォッシュ(洗口液)と液体ハミガキは同じものですよね?
A:×同じように見えますが、使い方が全く違う別のものです。

最近は口腔ケアへの意識が高まり、歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシなどを使って口腔ケアをされる方も増えてきています。マウスウォッシュ=洗口液を使ってみようと思われている方もおられるのではないでしょうか。毎日のケアに洗口液を取り入れるのは素晴らしいことです。

この洗口液ですが、同じ液体タイプの「液体ハミガキ」との違いをご存知でしょうか?
液体タイプの製品を選ぶときには、まずはそれが「洗口液」であるか、「液体ハミガキ」であるかにご注意ください。どちらも同じようなボトルに入っていて同じ棚に並んでいるので、混同して使っている方が意外と多いんです。洗口液は基本的には「歯みがきをした後に使う」、液体ハミガキは「使ってから歯みがきをする」というように、使う順番がまったく逆なのです。液体ハミガキは、その名の通り「液体状の歯みがき剤」ですから、歯を磨く前に使います。液体ハミガキをお口の中に行き渡らせた後、歯磨きをしてください。洗口液は、歯みがき後に使うのが理想的です。というのも、細菌が膜状になったバイオフィルムは歯周病菌や虫歯菌が自らを守るバリアとなり、そのままでは殺菌成分が届きづらいので、歯みがきでバイオフィルムを機械的にとってから洗口液を使用していただくのが理想です。歯みがき後や就寝前の使用がおすすめです。洗口液を使えば歯みがきをしなくてもいいと考えている方もいますが、洗口液は歯みがきの代わりになるものではありませんのでご注意ください。

この洗口液と液体ハミガキですが、見た目が似ている上に製品のラベルにはマウスウォッシュ、デンタルリンス、オーラルリンスと言った表記はされていても、洗口液なのか液体ハミガキなのかは目立つように書かれていないことがよくあります。GUMやLISTERINEのシリーズは両方が販売されています。でも心配いりません!ラベルの四角で囲まれた部分に注目してください。洗口液は「洗口液」、液体ハミガキは「液体ハミガキ」または「液体歯磨」と記載されています。製品ラベルの製品名の下や、成分表示の近くに書かれていることが多いです。また製品名も洗口液は「マウスウォッシュ」「オーラルリンス」、液体ハミガキは「デンタルリンス」と表記されていることが多いです。
しっかりチェックして、ご自身の目的に合った製品を選んでくださいね。

次回のQは・・・・
「歯ぎしりって歯に悪いですか?」です。

<歯科助手 福永沙織>

2019年2月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その93

Q:抗がん剤や放射線治療の副作用に、吐き気や脱毛があるそうですが、口も関係があるのですか?
A:○ 抗がん剤治療や頭頚部周辺の放射線治療では高い割合で口内炎が起こります。それらの治療の前中後に歯科を受診して口腔ケアを受けることにより、副作用や合併症を抑えられ、がん治療の効果が上がります。必ず受診してください。

2018年9月号コラムでは、がんの手術の際歯科を受診し口腔ケアを受けることにより、手術時のトラブルや合併症を抑えることができ、入院日数の短縮にもつながっていることをお知らせしました。

一般に、抗がん剤治療や放射線治療には吐き気や脱毛の副作用があることはよく知られていますが、これらの治療中には口腔内にもさまざまなトラブル起きやすくなっています。
全身に投与される抗がん剤でがん細胞をたたくと、同時に健康な細胞も傷つきます。特に口の粘膜は細胞分裂が活発な部位なので40%もの人に口内炎が発症し、疼痛のため経口摂取が困難になり、その結果QOLが著しく低下します。この時の口内炎は、だれでも時々起るアフタ性口内炎よりもっと範囲が広く激しい苦痛を伴います。口内炎以外には、免疫力、体力低下により根尖病巣(こんせんびょうそう)、歯周炎などの慢性炎症の急性増悪、口腔内常在菌による日和見感染であるカンジダ症、ヘルペス、味覚障害などもみられます。

また、頭頚部の放射線治療では放射線の当たった箇所に、ほぼ100%の割合で粘膜炎が起こります。ひどい粘膜炎のため食事がとれず治療を中断しなければならないことも起こります。放射線で唾液腺がダメージを受けると唾液が出にくくなるため、虫歯が増えたり、味覚が落ちたりもします。放射線の晩期障害である骨髄炎や顎骨壊死は、放射線治療後の抜歯と歯周病の悪化をきっかけとして発症することがあり、不良な歯は可能であれば放射線開始前の抜歯が推奨されています。

しかしこのような副作用は、術前に歯石やプラークを除去し口腔内の細菌を少なくする口腔ケアを受けておくと、口内炎、誤嚥性肺炎、敗血症などの合併症がぐっと減り、がんの治療効果が格段に上がることが認められています。また、術中の口腔ケアにより、がん治療がスムーズに進み、完遂できることは、がんの予後に深くかかわってきます。
現在ではがん治療を始める前に、まず歯科で口腔ケアを受けることが必須となっています。

次回のQは・・・・
「マウスウォッシュ(洗口液)と液体ハミガキは同じものですよね?」です。

<院長>

2019年1月号

「歯科 ウソ&ホント」シリーズ その92

Q:親知らずは、痛みがなければ抜かなくてもいいですよね?
A:△親知らずが生えている方向によっては、その前方の歯や周囲に悪影響を与えることがあります。現在痛みがなくても一度歯科医院を受診していただくと安心です。

まず初めに親知らずについてお話します。
親知らずとは、赤ん坊の歯の生え始めと違い、生えてくるのが多くの場合親元を離れる頃で(平均的には18歳~20歳ごろ)、親が歯の生え始めを知ることがないので「親知らず」という名前がついたと言われています。

太古の昔、人間は木の実や生肉など硬いものが中心の食生活でした。そのため食べる際はよく噛む必要があり、顎の骨がよく発達し大きかったので親知らずが生えてくるスペースが十分にありました。歯は生きていくために不可欠であり、親知らずにも大きな意味があったと考えられます。
一方、現代の食生活は加工食品が中心で硬い物を咬むことが少なくなったため、顎は退化傾向にあり徐々に小さくなっています。すると、一番最後に生えてくる親知らずのスペースが足りなくなり、きちんと生えなくなるケースが増えてきました。

ではどのような場合、親知らずを抜いたほうがいいのか説明していきます。

①親知らずが虫歯や歯周病になっている 親知らずは歯ブラシが届きにくく虫歯や歯周病が進みやすい歯です。
親知らずは奥まっているため虫歯治療がしにくく、うまくいかない場合があります。
②親知らずがうまく噛み合わず歯茎や頬の粘膜を傷つけている 噛み合う歯がなければ歯はどんどん伸びていき、向かいの歯茎や頬の粘膜を噛むようになり痛みを引き起こします。また、親知らず同士で咬み合っている場合、一方の親知らずを抜くと、もう一方の親知らずが伸び、結局その歯も抜くことになる場合もあります。 ③前方の歯に悪影響がある場合 親知らずが半分埋まっている場合、前の歯との間に隙間ができ、食片がたまり虫歯になりやすくなります。
生え方によっては、前の歯を押してその歯が痛くなることもあります。また矯正治療を受けて歯並びがきれいになったのに、親知らずに押されて歯並びが乱れる恐れのある時も前もって抜歯します。

親知らずがまっすぐ生え、上下の歯が噛み合っている場合は抜く必要はありません。しかしそのようなケースはまれです。
痛くもないのになぜ抜歯?と疑問に思う方も多いかもしれませんが、将来的なリスクを考え歯科医院では抜歯の提案をするのです。

次回のQは・・・・
「抗がん剤や放射線治療の副作用に、吐き気や脱毛があるそうですが、口も関係があるのですか?」です。

<歯科助手 西川理恵>

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