治療は手術の方法により、1回法と2回法に分けられます。
その中で、患者さまにとって最も侵襲性の低い、フラップレス手術について説明します。
一般的な口腔内診査
<手術適応の条件>
ラジオグラフィックガイド
歯全体の型をとり、ラジオグラフィックガイドを作製します。
総義歯の場合は、その義歯をそのまま使用するか、複製を作製します。
※ラジオグラフィックガイドとは、最終的に修復される歯の位置・形態を表示し、歯全体を覆うプラスチック製のマウスピースです。
ラジオグラフィックガイドをお口に入れて、CT撮影をします。
平成23年12月に、歯科用CTを導入いたしましたので、CT撮影料のご負担はありません。
サージカル・テンプレート
※サージカル・テンプレートとは、ラジオグラフィックガイドをコピーし、正確な埋入位置・方向を表示したスリーブが付与されたプラスチック製のマウスピースで、手術時に使用します。これにより、コンピューター上のシミュレーションが口腔内に非常に正確に再現されます。手術ではそのスリーブに切削器具を挿入するだけで、非常に簡単で正確な手術が可能となります。従来のようにレントゲンフィルム1枚で勘に頼った手術では正確な埋入は不可能です。
完全滅菌下の非常に清潔な状態でインプラントの埋入手術を行います。本数にもよりますが、実際の手術時間は1時間以内です。
フラップレス手術は、麻酔注射後、サージカル・テンプレートのスリーブを通して、粘膜をパンチしドリルを使用するので、粘膜を切開する必要はありません。そのため、術後の腫れ、痛みがほとんどありません。また、手術時間が短縮され、患者さま、術者にとってもストレスが少ない手術を目指しています。
顎骨の幅が狭いときや、とがっているときは、ブラインドでの手術が難しいので、粘膜を切開し、顎骨を直視して手術します。(フラップ手術といい、その他の治療の流れについてはフラップレス手術と同じです。)
サージカル・テンプレートは、非常に正確に作製されているため、手術の前にそれをもとに、プロビジョナル(仮歯)を作製しておいて、手術後すぐに装着することも可能です。これを、イミーディエット・ファンクション(即時機能)とよびます。
プロビジョナルを入れない時は、粘膜の厚さより少し厚い目のヒーリングアバットメント(治癒期間中に使用するチタン製の土台)を設置します。手術後はご使用中の義歯を調整し、ご使用いただきます。
手術後、下顎では2~3ヶ月、上顎では4~5ヶ月程度の治癒期間をおき、インプラントが完全にオッセオインテグレーションするのを待ちます。
インプラントと他の残存歯や粘膜との位置関係を記録する型をとり、上部構造を作製します。
人工歯を装着する方法には、ネジ止めとセメント合着があります。ネジ止めはメンテナンスがしやすく、セメント合着は見た目がよいという特徴があります。
【セメント固定】
【ネジ止め】
上部構造を装着後は定期的にご来院いただき、インプラントが問題なく、機能しているかチェックします。
ご自身の徹底した口腔内清掃がたいへん重要です。耐久年数は、ケア次第といっても過言ではありません。
診査、診断については、1回法と同じです。
1回法と同様の治療期間をおきます。
2回目の手術では、インプラント上の粘膜に小切開を加え、インプラントの頭部を露出し、アバットメント(人工歯の土台になる部分)を連結します。この手術は短時間で済みます。
型とり・人工歯の装着完成・メンテナンスは1回法と同じです。
2回法手術は、最近では
などには行います。
粘膜を切開、剥離するため、術後の腫れ、痛みがあり、手術が2回必要であることなどの欠点があります。そのため最近はほとんど1回法で手術を行っております。
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